見出し画像

短歌|木下龍也

はな、ればなれ

染み込んだつゆに衣をうばわれる痩身の海老のように起床

空き缶の日の空き缶に早朝のごみ捨て場まで連れて行かれる

こころっていつもからだについてきて歩行の邪魔をするからきらい

花を嗅ぐひとときだけは許されたような気持ちでマスクを外す

くちづけのたびに明度は低くなりあなたにはもうまぶしさがない

言葉から次の言葉へ燃えうつる声の終わりに恋を失う

細長い花瓶の底にこびりつく花の無念を洗えずにいる

(2020年10月号)

この続きをみるには

この続き: 0文字
この記事が含まれているマガジンを購読する
月刊誌『文藝春秋』の特集記事を中心に幅広いテーマの記事を配信しています。政治家や経営者のインタビュー、芸能人の対談、作家のエッセイ、渾身の調査報道、一流作家の連載小説、心揺さぶるノンフィクション……月額900円でビジネスにも役立つ幅広い「教養」が身につきます。

文藝春秋digital

月額900円

知と教養のプラットフォーム。一流の作家や知識人、ジャーナリストによる記事・論考・ルポルタージュなどを毎日配信。執筆陣のオンラインイベントも…

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
文藝春秋digital

記事へのご意見・ご感想をお待ちしています。「#みんなの文藝春秋」をつけてご自身のnoteにお書きください。編集部がマガジンにピックアップします。皆さんの投稿、お待ちしています!

ありがとうございます!
16
月刊誌『文藝春秋』の特集記事を中心に、一流の作家や知識人による記事・論考を毎日配信。執筆陣のオンラインイベントも毎月開催中。月額900円で記事読み放題&イベント見放題のサービスです。