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2023年1月の記事一覧

【イベントレポート】LTV(顧客生涯価値)最大化のための“顧客の心をつかむ”マーケティング

近年、「LTV」をマーケティング指標として重視する企業が増えている。LTVとはLife Time Valueの略で「顧客生涯価値」と訳されている。顧客1人あるいは1社の顧客がサービスを利用しているライフサイクル全期間で、その顧客が企業にもたらした価値(利益)の総計のことと定義され、長期的かつ継続的にサービスを購入・利用する顧客ほど、LTVが高くなる。 LTVにはいくつか計算方法があり、LTV=顧客の平均購入単価×平均購入回数を指標とする場合や、長期契約に適した商材を扱う企業の

詩 さ、るゅー。(Salut) 蜆シモーヌ 

さゆる美空に、心からご挨拶。さ、るゅー。 すると 光。あれ、 ごらん雷鳥が笑ってる。 あかい おめでたい お飾りめした たまひかるおめめの雷鳥。が、 いう。          うー、うぃ。 春。が、きます。 霞む にんげんの時代。も、ましろくあらわれる春。が、きます。

林桂 日日紀行――夏から冬へ 俳句

故郷は遠くなるもの雲の峰 大伸びの山蛭山へ急ぎをり 掌の中で消えし清水の光かな 秋草のみな濡れてゐて潮あかり 大利根の光角立つ小春かな 父ははの國の近さよ風の花 夢の世の雪傘のなか明るけれ

芝山幹郎 「汚濁を恐れぬヒーロー」勝新太郎 スターは楽し

 飯倉片町の〈キャンティ〉が西麻布の交差点近くに支店を出したときだから、1980年代半ばごろの話だ。〈十々〉の先をもう少し広尾に寄った地下の店。

短歌 パイン 永井祐 

ごみ箱がとおいとおもう冬にまだなったところでここから長い 駅前の地面を掘った穴があり上半分の脚立がみえる 階段を浮かび上がってきびきびと方向を変える手すりの動き パインあめを一つもらって置いておく来年になってもきっとある 本当にぼくが行きたい明け方の気温はどれぐらいなのだろう ほかの時代のほかの国にもいるような気がする人とお酒を飲みに 映画なんか家で見ろよとだれかが言う池袋駅西口の霧

柴田理恵 かっこいいお母さん オヤジとおふくろ

 私が生まれたのは昭和三十四年。母親は家でご飯をつくりながら、夫や子供の帰りを待つというのが、当時の一般的な家庭の姿でした。そんな時代に、私の母は小学校の教員として働いていた。しかも、男性並みにバリバリと仕事をこなしたがるタイプでした。

山本顕一 枯れ野のスケッチ オヤジとおふくろ

 私の父、山本幡男は、第二次世界大戦終結後にソ連によるシベリア抑留を経験し、日本に帰らぬまま病死しました。父は死の直前に遺書を残しましたが、全ての内容を収容所の仲間たちが手分けして暗記し、後に私たち家族に届けてくださった。その経緯は辺見じゅんさんの『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』に詳しくまとめられ、映画化もされています。

佐藤祥子 錦富士 「じょっぱり魂」で狙うは優勝 大相撲新風録

 伊勢ヶ濱部屋の稽古場。激しい朝稽古後に、かつてケガをした左膝や左肘を入念に冷やし、体のケアに余念のない錦富士の姿があった。

飯間浩明 【さ】「させていただく」を研究し尽くした本が出た 日本語探偵

 言語学などを専門とする「くろしお出版」から、椎名美智(しいなみち)・滝浦真人(たきうらまさと)編『「させていただく」大研究』という本が出ました。しばしば目の敵にされる「させていただく」という表現について、日本語学の研究者たちが、さまざまな視点から論じ尽くした本です。

佐藤健太郎 ゾルゲンスマの薬価 数字の科学

 医薬品の世界が、大きく変わりつつある。その牽引役となっているのが、バイオ医薬と呼ばれる一群の薬だ。旧来の医薬が化学合成によって製造されていたのに対し、これらはバイオテクノロジーを駆使して作られる。中にはウイルスや細胞を用いる「医薬」もあり、我々が慣れ親しんだ薬とはずいぶん違う性質のものだ。

目耳口 新潟から日本中をあたためる日常着、山梨産葡萄を厳選 深紅のスパークリング……

亀山郁夫 どんな人にも合うお酒を 至福の贈り物

 私自身、よくお酒を飲みますが、人に贈る酒を選ぶのは意外と難しいものです。人によってお酒の好みも異なれば、飲むタイミングもそれぞれだからです。

同級生交歓 大阪府立三国丘高等学校 昭和54年卒

(右から) 佐賀大学医学部内科主任教授 日本高血圧学会理事長 野出孝一 大阪大学医学部産婦人科教授 日本産科婦人科学会理事長 木村正 商工中金取締役副社長執行役員 中谷肇空は晴れたり金剛の/山なみ遠く輝きて/若き命をたたえつつ/自由の鐘を打ち鳴らす/理想は高し三丘生  創立128年、大阪府第二尋常中学を前身とする大阪府立三国丘高校の校歌である。校訓は「自主自立・文武両道・切磋琢磨」、校風は自由闊達、かつての自由都市堺の土地柄かマイウェイで鷹揚な学生が多かった。  中谷君は

同級生交歓 千代田区立麴町中学校 昭和46年卒

(右から) 東京都世田谷区区長 保坂展人 編集者 都築響一 麴町中学校は1960年代末、たぶん日本で唯一「学生運動があった中学」で、制服なのに詰め襟上下のかわりに黒いジーンズを穿いて教師を怒らせていたのが保坂くんだった。あのころは体罰も当たり前でイヤな思い出しかないけれど、いま思い返せば保坂くんのふてぶてしさが一服の清涼剤だったのかもしれない!(都築)  都築君とは、麴町小学生時代に仲が良かった。彼は学校近くの薬局の息子で、私はNHK職員の息子。何かとウマがあい、遊んだもの