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【蓋棺録】小林亜星、根岸英一、寺内タケシ、若山弦蔵、エドワード・デ・ボノ〈他界した偉大な人々〉
偉大な業績を残し、世を去った5名の人生を振り返る追悼コラム。
★小林亜星
作曲家で俳優の小林亜星(こばやしあせい)は、斬新なメロディを生み出すいっぽう、頑固で古風な日本の親父を生き生きと演じた。
1974(昭和49)年から始まったテレビドラマ『寺内貫太郎一家』は平均視聴率31.3%を記録する。ディレクターの久世光彦が「小林でやりたい」と言うと、脚本の向田邦子は難色を示した。当時、小林は長髪に
夜啼き鳥の歌|小野正嗣
文・小野正嗣(小説家・仏文研究者)
Kさんが亡くなってから6年になる。七回忌か。でも彼は日本の人ではなかった。
2005年の春、足かけ8年のフランス留学を終えて帰国した。そのうちの5年ほどは、パリから南に列車で1時間のオルレアンに暮らすエレーヌとクロードの夫妻の家での居候生活だった。
3階にある僕の部屋からは大きな中庭が見渡せた。フランスを発つ前日の早朝、開けた窓から薄闇を貫いて夜啼き鳥の声
北京で『文藝春秋』を読んできた|劉檸
文・劉檸(作家・北京在住)
昔から日本の雑誌、とりわけ月刊誌を読むのが好きでした。東京にいた頃は、書店の雑誌コーナーで最新号をチェックして気になるものを購入していました。御茶ノ水の丸善、新宿東口の紀伊國屋書店本店、神保町の三省堂とその近所にある東京堂ふくろう店(当時)、池袋東口のジュンク堂本店は、どこもよく足を運びました。
ところが帰国後は、中国から定期購読するしかありません。1990年代から
父の絵日記|矢部太郎
文・矢部太郎(タレント)
「めちゃくちゃの大冒険」。それが僕が6歳の時に生まれてはじめて作った紙芝居のタイトルです。絵も文章も僕が考えました。「めちゃくちゃ」の後に「の」を繋げる。日本語の使い方としても、めちゃくちゃですね。6歳の自由を感じます。
僕の父は絵本・紙芝居作家で、いつも自宅で作業していました。そんな父に教えてもらいながら見よう見まねで描いた記憶があります。作者の表記も、
さく・え
疫病と日本酒|佐藤祐輔
文・佐藤祐輔(新政酒造株式会社代表取締役)
日本においてはじめて疫病が流行したのは崇神天皇の治世だったという。「国内に疾疫多くして、民死亡(まか)れる者有りて、且大半(なかばにす)ぎなむとす」——国内で疫病が蔓延し人口の半分が亡くなった、と日本書紀には記されている。崇神天皇は神託に従い、大物主神(おおものぬしのかみ)を祀ることとし、現・奈良県三輪山麓に大神(おおみわ)神社を建立。また高橋活日命(
8/25 13:00~|文藝春秋カンファレンス 「タイムパフォーマンス経営」 ~ 「時間」の質を最大化する「仕事のための仕事」からの脱却 ~ オンライン開催
♦イベントのポイント「Time is Money」 by ベンジャミン・フランクリン
長時間労働の是正、新型コロナウイルスの流行によるテレワークの推進、非対面による営業活動・進捗管理など、企業は環境の変化に適応した「働き方改革」「生産性向上」「コミュニケーション改善」が求められています。
緊急事態宣言が発出された昨春以降、多くの企業がテレワークを導入した一方で、日本生産性本部が2021年4月