武漢ロックダウン「邦人救出」15日間全記録|現地指揮官の手記
コロナが発生した中国・武漢からの邦人退避はどのように行われたのか。チャーター機の手配など現地オペレーションの指揮官が、緊迫の15日間を振り返った。/文・植野篤志(外務省国際協力局長・前中国特命全権公使)
天安門事件とSARSの経験
日本政府は1月下旬以降、中国湖北省武漢に計5便のチャーター機を飛ばし、828名の湖北省在住邦人と中国人等ご家族の帰国を実現させた。私は第1便から第4便までの運航を支援する「現地チーム(通称:Aチーム)」の責任者を務めたが、本稿はその活動記録である