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武田徹の新書時評 子どもたちの未来のために

武田徹の新書時評 子どもたちの未来のために

評論家・専修大学教授の武田徹さんが、オススメの新書3冊を紹介します。 子どもたちの未来のために安倍政権誕生以来の重点政策だった大学入学共通テストへの外部試験、記述式問題の導入は、実施に問題ありとしていずれも見送られる結果になった。こうした見通しの甘さは、未来の命運を握る教育を舵取りする上で致命的ではないか。 たとえば菅政権は「こども」と「デジタル」を看板政策とするが、確かな検証なくデジタル技術を教育へ導入すれば実効性を欠くどころか危険ですらあろう。その点、バトラー後藤裕子

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『闇の盾』著者・寺尾文孝さんインタビュー

『闇の盾』著者・寺尾文孝さんインタビュー

連絡先は非公開。当然、ホームページもなし。会費は年間2000万円で紹介制……。この謎めいた会社こそが、どんなトラブルでも処理してくれると囁かれる「日本リスクコントロール」だ。この本には、同社を設立した寺尾文孝氏が関わった政治家、官僚、芸能人、暴力団幹部とのエピソードが綴られている。 柔道3段、剣道3段の寺尾氏。もとは精鋭ぞろいの第一機動隊に所属していた警察官だったが、階級社会に違和感を覚え、5年半で退職する。 「警察官は天職だと思うくらい自分には合っていたと思うね。だから

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手嶋龍一さんが今月買った10冊の本

手嶋龍一さんが今月買った10冊の本

想定不能の危機に備えるわれわれは「習近平の中国」にどう向き合えばいいのか。21世紀の国際社会に突き付けられた難問である。「メルケルのドイツ」は、ウイグルへの人権抑圧を非難しながら、巨大な利益をこの国から引き出そうとしてきた。だが、共産党政権が結党100年を機に「中華民族の偉大な復興」を唱え、中国主導の生産システムに欧州各国を組み込もうとするに及んで、安易な政経分離など通用しないと覚ったはずだ。 柯隆の『「ネオ・チャイナリスク」研究』は、中国の素顔を遠近両方から精緻に描ききっ

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本郷恵子さんの「今月の必読書」…『チャイニーズ・タイプライター 漢字と技術の近代史』

本郷恵子さんの「今月の必読書」…『チャイニーズ・タイプライター 漢字と技術の近代史』

漢字とアルファベットをめぐる技術の変遷はじめてワープロ専用機を買ったのは、1986年だったと思う。値段は20万円以上で、当時大学院生だった私には、かなり勇気のいる買い物だった。キーボードで入力した文章が、きれいな活字になって打ち出されると、ひどく立派なことを成し遂げたような気がしたものだ。 初期のワープロで苦労したのが漢字への変換である。いちいち時間がかかるうえに、使用頻度が低いJIS第2水準の漢字群については、必要になるたびに専用のフロッピーディスクをセットして、わざわざ

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角幡唯介さんの「今月の必読書」…『ガリンペイロ』

角幡唯介さんの「今月の必読書」…『ガリンペイロ』

アマゾンの奥地で一攫千金を夢見る無法者たち自分が生きている意味や経験を、現実の何かに置き換えることは可能だろうか。山や極地を旅すれば、その間は生きていることを実感できる。でも、その時間は永久にはつづかない。最近では移動や狩りでつながった大地こそ、人間存在の根源的帰属先では? と考えるようになったが、かといって完全に自信があるわけではない。それを探求するのが人生の唯一の仕事だとわかっていながら、ずぼらなので手っ取り早くその答えを知りたいとも思う。 と、そんな折に本書を読み、ふ

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角田光代さんの「今月の必読書」…『つまらない住宅地のすべての家』

角田光代さんの「今月の必読書」…『つまらない住宅地のすべての家』

逃亡犯が住宅地にもたらす「爆発」ページを開くと、小説の舞台である「つまらない住宅地」の地図と、住人の名字、何人暮らしかが書いてある。「笠原家……75歳の妻と80歳の夫の2人暮らし」といった具合に。 小説は、この一角に住む人たち、それぞれの視点に切り替わりながら進む。冒頭で、この町に逃亡犯が向かっているらしいことがわかる。2つ隣の県の刑務所を脱獄したのは、勤め先から横領をした36歳の女性で、この住宅地近辺の出身らしい。住人たちは、テレビやインターネットや学校や職場で事件を知り

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片山杜秀さんの「今月の必読書」…『書き取りシステム1800・1900』

片山杜秀さんの「今月の必読書」…『書き取りシステム1800・1900』

分裂したロゴスの中に読み解く近代の病理「はじめにロゴスありき」。『新約聖書』の「ヨハネによる福音書」の冒頭である。古典ギリシア語のロゴスをドイツ語で何と訳すか。ゲーテの戯曲『ファウスト』でファウスト博士は苦悩する。ロゴスと言えば普通は論理と訳すかもしれない。論理は必ず言葉で表現されるから、論理的な言葉と訳した方が丁寧とも言える。でも、それではもの足らない。だって福音書なのだから。 キリストの言葉、即ち福音は、十分に論理的でもあるが、決して冷たく形式的ではない。愛に満ちている

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佐藤優のベストセラーで読む日本の近現代史『東大生はバカになったか 知的亡国論+現代教養論』立花隆

佐藤優のベストセラーで読む日本の近現代史『東大生はバカになったか 知的亡国論+現代教養論』立花隆

日本のエリート層の劣化に警鐘を鳴らす警視庁が6月25日、経済産業省の若手キャリア官僚を2人逮捕した。コロナ禍で売り上げが減った中小企業の関係者を装い、国の「家賃支援給付金」を騙し取った容疑だ。 〈逮捕されたのは、同省経済産業政策局産業資金課の係長、桜井真(28)=東京都千代田区一番町=と、同局産業組織課の職員、新井雄太郎(28)=東京都文京区向丘1丁目=の両容疑者。2人は高校の同級生で、桜井容疑者が2018年入省、新井容疑者が20年入省という。/捜査二課によると、2人は共謀

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大島真寿美 高校生が選ぶ直木賞のこと

大島真寿美 高校生が選ぶ直木賞のこと

文・大島真寿美(作家) 昨年、高校生直木賞というものをいただきました。 高校生直木賞。 ご存じでしょうか。 本家直木賞の直近1年間の候補作の中から、高校生によってあらためて選ばれる賞。 私は、あまりよく知らなくて、ぼんやりと、高校生が、本家の直木賞とは違うものを、“我らが直木賞はこれだ!”と選ぶんだな、と認識していました。 ということはすでに直木賞をいただいている拙作が選ばれることはないはず。可能性はなくはないけど限りなくゼロに近いだろうと思っていて、ですから、選

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梯久美子さんの「今月の必読書」…『岸惠子自伝 卵を割らなければ、オムレツは食べられない』

梯久美子さんの「今月の必読書」…『岸惠子自伝 卵を割らなければ、オムレツは食べられない』

まるで自分自身を題材としたルポルタージュたった数行で、人や風景をあざやかに立ち上がらせる、喚起力のある描写。歯切れのいい文章。最初の章を読み始めてすぐ、ああそうだった、と私は思った。誰もが知るあの美貌と、女優としてのキャリアに惑わされてはいけない。この人は、「ベラルーシの林檎」「砂の界(くに)へ」を書いた、世に稀な文章家なのだ、と。 本書の著者がかつて刊行したこの2作を読んだとき、こんな本があったのか! と衝撃を受けた。舞台はパレスチナ、バルト三国、戦時下のイラン……。エッ

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